夏休みが近づいてくると、2年生は進路を意識し始め、3年生は嫌でも受験が身近に迫っていることを感じていると思います。
やりたいことが分からず、進路の方向性が定まらなかったり、進学という漠然とした未来に一抹の不安を抱えていたりと何かと心の安定を図るのが難しい時期です。
そんな学生の手助けになればいいなと思い、社会学部の実態について書いていこうと思います。
この記事では以下のような内容を取り扱っています。
- 社会学って何?
- どんな人に向いているか
- 大学って何をするところ?
そもそも社会学って何?
では、そんな社会学を一言で表すとするなら、「人のコミュニケーションを解明する学問」だと私は思います。
心理学が「人の心」、歴史学が「人の歴史」という感じに、人の〇〇について取り組む学問は多く存在しますが、その中でも社会学はコミュニケーションついて取り組む学問と言えるでしょう。
「コミュニケーション」とは凄く漠然とした言葉ですね。
一口にコミュニケーションと言っても、コミュニケーションには様々な形があります。
- 一般的な会話
- 家族だからこそ通じる特有の会話
- 公共の場での暗黙の了解(無言のコミュニケーション)
- ジェスチャー
- サイン/合図
- SNS
まだまだコミュニケーションの形は存在し、それらを社会学は扱うことができるのです。
SNS中毒なんて言葉が生まれるくらい、SNSは生活の細部にまで根付き私たちの生活に欠かせない存在になっています。
情報の拡散力における現代最強のツールと呼べるでしょう。
イジメ・炎上はSNSの発達と共により広がりやすく、より激しくなりやすくなりました。
その原因は、必ずしもSNSだけというわけではないのですが、大きな影響があったことは間違いないでしょう。
また、デートDVという新しいDVが生まれています。SNSを通じて、恋人や配偶者を監視するといったことです。
そういったSNSも含め、人のコミュニケーションの謎に迫ることが出来るのが社会学です。
社会学は「人と社会の関係」を見ることに長けているといえます。
どんな人が向いている?
ざっくりと言ってしまえば「人」と「集団」に興味がある人に向いていると思います。
とりわけ、少し哲学的な興味の持ち方をする人が向いているかもしれません。
などなど、自分自身も含めた「人」や「集団」に関して疑問があるという人と相性が良いでしょう。
※脳とか細胞とかそういった方向で人に興味がある人は理系ですね。
ちなみに、「あの人は何で変わっているの?」という疑問に対して、「寂しいから変わった事をして気を引こうとしている」といった心理的な要素に注目するのは心理学であって社会学ではありません。
家庭や学校、塾や職場などなどその人が関わっている社会から、どのような影響を受けて「変わった人」になったのかと考えたりします。
重複しますが、「人と社会の関係性」に注目するのが社会学です。
以下の記事では、社会学の基礎知識を取り扱っています。
もし興味のある方は、参考までに見ていってください。
理系の人が文転したらどうなる?
結論から言うと、理系でも問題なく通用します。
少数派ですが、稀に高校で理系課程を勉強していたけど事情があって文転する人がいます。というか私がそうでした。
私も高校の頃は理系分野が得意という理由だけで理系に進みましたが、興味関心が文系の分野だったことが後で分かったので、色々悩んだ末に進学と同時に文転しました。
私の得意科目は数学と化学だったので、根っからの理系です。そんな私でも、現在では社会学にハマり、苦手意識もなく取り組めています。
特に統計学の扱いは理系の素養が活きてくるので、上級生になってから取り組む研究にめちゃくちゃ役に立ちます。
なので興味さえあれば、理系の人と社会学は相性が良いと私は思います。
就職に不利っていうのは本当?
就職に不利というのありません。
また、文系の学部だからといって有利不利というのはほぼありません。
あくまで「学部」という要素で有利不利がないだけで、個人の要素で有利不利はあるとは思いますが、社会学部だから不利ということはありません。
さすがに、理系で専門性の強い職業では不利になってしまいますが、それ以外のものでは門が開かれています。
例えば、ITや化学系などの分野は文系も募集しているので、理系の職業も目指せる時代です。
もともこも無いことを言いますが、結局個人の適正とどれだけ対策をしたのか、そして最後は時の運しだいです。
社会学部に入ったら何をするの?
大学は勉強するところではない
まず、多くの高校生が誤解していることを訂正します。
もちろん、入っていきなり研究をするわけではなく、勉強→研究と段階を踏んでいきます。
と、思った方は認識を修正しましょう。
「○○を知りたい」というのは勉強であって、それでは高校と同じです。
大学で勉強というのは最終的に研究に取り組むための手段であり過程であるといえます。
学年が上がると、勉強と研究はワンセット。
「〇〇を知って、どうしたいのか(何を解明したいのか)」を問われるのが大学であり、ただ勉強して知識をつけていくものではありません。
それを踏まえたうえで、4年間何をするのかをこれから簡単にですが解説していきます。
1・2年生の時
1・2年の間は、社会学の研究手法や理論を学びます。
その過程で、自分が社会学のどの分野に興味があるのかを探っていく場合がほとんどです。
そのまま社会学の道を行く人もいれば、社会心理学、犯罪社会学、メディア社会学など様々な社会学の道へ進む人に分かれます。
大学なので、必ず受けなければいけない必修科目という縛り以外は、自分の自由な時間割を組むことが出来き、自然と興味ある分野に取り組むようになっていく場合が多いです。
3・4年生
3・4年になると、取り組む研究の題材を決めて、先生の指導を受けながら研究していきます(勉強も同時並行で取り組みます)。
詳細については、個人差があるためここでは詳しいことは言えません。
アンケートやインタビューなどの手法が多いですが、中には実験をしたりする人もいます。おそらく、学問を修める過程で一番面白いところでしょう。
ちなみに、他の学部も似たような感じです。基礎を学んで研究に移り、卒論を執筆して卒業というのが基本的な流れでしょう。
※4年間の間に、どのように学ぶのかは大学の方針によって変わるので、一概に上記のような流れになるわけではありません。なので、進路先として考えている大学をよく調べることをお勧めします。
進路を決めるための情報収集
大学入学後に失敗するケースも
せっかく大学に行くのであれば、勉強だって楽しく取り組みたいもの。
サークルやバイトといった楽しい時間もたしかにありますが、大学生活の半分以上が勉強に時間を割くことになるのですから、その時間を苦痛なものにしたくないでしょう。
苦痛に感じた人が勉強に身が入らず留年しているというケースがあります。
悪化すると休学や退学をする人もいます。私と同期で入学した人の中も、そういう人が居ました。
就職とかサークルやバイトとか進路を選ぶ要素はたくさんありますが、そもそも卒業までこぎつけられないと意味がありません。
そう考えると、学部・学問選びというのは大事なことなんですよね。
進路で迷っているという人は、大学の情報だけではなく、学問そのものの情報も集めておくことを推奨します。
将来就きたい職業から逆算する方法
大学を決めるにあたり、どのような分野に進むのかを決めますね。
その時は、将来就く職業を決めて逆算して学部を決めるという方法があります。
就活生も愛用する「業界図鑑」を見るのがおススメです。
自分が知らないだけで、世の中には多くの仕事が存在します。
インターネットで得られる情報というのは、検索力に左右され限界があります。
そういった個人の検索力に左右されず高品質な情報を得るためには、書籍から情報を得るのが確実になるのです。
そのため、この「業界図鑑」を用いて自分の将来の方向性を決めてみましょう。
まとめ
- 社会学は、「人のコミュニケーション」を研究する学問
- 少し哲学的に人に興味を持つ人と相性が良い
- 理系の人も、(興味さえ持てれば)相性が良い
- 就活で不利になることはない
- 最初は基礎を学んで、上級生になってから研究に取り組むのが一般的
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