映画『mother』は見た人に心の闇と向き合わせる

映画

はじめに

偶然、『mother』を観に行く機会がありました。実は前情報を全く知らず、シングルマザーが毒親になりながらも、それを乗り越え子育てに奮闘していくぐらいの認識でした。

いざ観に行くと終始陰鬱とした雰囲気で、あらゆる場面で不快な気分を引き起こされるため、良い意味でも悪い意味でも私の中でインパクトを残した作品でした。

そんな『mother』を観に行った時の感想と、視聴後に調べた内容を書き連ねていきたいと思います。

 

映画『mother』の概要

映画『mother』は、『誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか』(ポプラ社)を原案とした作品。

原案は、2014年埼玉県川口市で発生した祖父母殺害事件を追った記者がまとめたノンフィクション本である。

映画としては、働かず他者に金を無心してばかり、さらには息子に異常な執着をする母親とその息子の生活を描いている。その生活の中で少年がいかにして凶行に及ぶまでに至ったのか。その過程を淡々と場面展開していく作品となっている。

 

 

ギャンブル依存症の兄を思い出す

主要人物の母親は、周囲から働くよう言わていながらも全く働く意欲をみせず、そのくせ金がないと家族にお金を無心し続けるところから映画が始まる。すでに家族の信用は無くしているようで、家族の誰もお金を貸してくれる状態ではありませんでした。今度は他者からお金を借りたり、盗みを働いたりと次第に悪さがエスカレートしていきます。

私の場合、作中の母親があらゆる手段でお金を調達しようとする姿から、縁を切った兄を思い出しました。私の兄は、ギャンブル依存症でお金さえあればパチンコやソシャゲのガチャなどの娯楽につぎ込みました。当然お金は無限にあるわけでもないため、生活費すらままならないというありさま。そんな人がすることは、何とかして他者からお金を調達するということ。

その標的はまずは家族から。最初は「すぐに返す、来月の給料で返すから」と敷居の低い理由で借りてきます。そこには家族の情につけこむ思惑があります。そして絶対に借りたお金は返しません。返すお金が常にないから。

映画の冒頭でも、家族に就職先が見つかって返す当てがあると金を無心するシーンがあり結局は突き返されるシーンがあります。とおもったら次はパチンコをするというシーンになります。やってることが私の兄と全く同じでした。

この手の人はお金を調達するためなら手段を選ばないのが特徴で、お金を借りれないと判断したら家族の私物を勝手に売ったり、財布からカードや現金を抜き取るなどします。当時学生だった私はお年玉を兄に盗まれたこともありますし、金に換えられそうな私物は片っ端から売られました。当時はよく親と兄が口論していたのをよく覚えています(映画でも家族で口論する場面が多数ありました)。

兄は、家族以外にも他者から借金をし、そして踏み倒すを繰り返していたので知人から指名手配されたかのような扱いを受け、まるで逃亡犯かのような生活をしていました。この姿も『mother』で借金取りから逃げて回るシーンと重なりました(映画では闇金?から逃げているので事の重さは段違いですが)。当然巻き込まれる家族はたまったもんじゃないです。

 

心の闇と向き合わされる

さて、長々と過去話をしましたが、映画中の救いのない展開に対する辛いという感情と自分の苦い過去と向き合わされたことで感じた辛さの二重苦でした。映画を見たこと自体は全く後悔していないです(見た直後は記憶消したいと思ったりしてましたが)。ただ、あまりにも救いのない展開で、ノンフィクションと知らなかった私は、なぜこのような作品を作ったのだろうと調べていく過程で視聴中に思い出した過去と整理をつけていきました。視聴直後は後悔していましたが、時間とともに後悔はなくなっていきました。

些細なことを大げさに言うのもあれですが、過去の辛い経験を自身の中で解決するという意味ではよかったのではないかと思っています。

私は映画の評論家でも専門家でもないので、映画の出来自体には特に語ることはできないですが私なりの感想として、「心の闇と向き合わされる」と思いました。

まあ、私の場合という話なので全員がそのように考えるとは断言できませんが(内容が内容なだけに、積極的に語れる相手もいないので)。

 

終わりに

冒頭でも述べた通り、前情報を全く得ずに観に行ったことで私の中で非常にインパクトを残す作品となりました。たぶん、純粋に面白いと思った映画よりも自分の中で観たという記憶が残り続ける気がします。

視聴後は、この内容でPG12指定なの?と気になりました。私の感覚では18歳以上が適切な気がしましたが、許可が出ている以上私の感覚の方がずれてるのかもしれませんね。

長々と語りましたが、人に勧めるのは難しい映画です。ですが、概要を軽くでも知ったうえで興味が持てるのであれば、見て損はしない作品だと思います。

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